「私は紳士のように飢えることができると信じている。詩人の訓練の一部として、それが記されているのだよ」

エズラ・パウンド(画像はイメージです)
  • 1885年10月30日~1972年11月1日(87歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人、批評家、翻訳家

英文

“I could I trust starve like a gentleman. It’s listed as part of the poetic training, you know.”

日本語訳

「私は紳士のように飢えることができると信じている。詩人の訓練の一部として、それが記されているのだよ」

解説

この言葉は、詩人という職業に伴う苦しさや貧困を、むしろ誇りとして受け入れる姿勢を示している。エズラ・パウンドは詩作を単なる趣味や職業ではなく、厳しい修行や自己鍛錬とみなし、経済的困難さえも詩人の訓練の一部と考えていた。ここで「紳士のように飢える」という表現は、貧困を卑しむのではなく、品格を保ちながら耐えることを意味している。

パウンド自身、文学運動を支えつつも生活に困窮し、同時代の多くの詩人も同じような状況にあった。彼にとって詩作とは単なる創作行為ではなく、生活全体を賭けた芸術的使命であり、困難を耐えることさえも芸術の鍛錬であった。この発言は、その厳しい自己認識をユーモラスかつ皮肉に表したものといえる。

現代においても、この言葉は芸術や創造に伴う経済的・精神的な犠牲を象徴するものとして響く。例えば、独立系の作家やアーティストが安定した生活を犠牲にして作品を生み出すことは珍しくない。パウンドのこの警句は、創作者が直面する現実を鋭く突きつつ、その困難に耐える覚悟こそが本物の芸術家を育てるという信念を示しているのである。

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