「ある集団や宗派に対する一般的な嫌悪には、たいてい本能に基づいた確かな理由がある」

エズラ・パウンド(画像はイメージです)
  • 1885年10月30日~1972年11月1日(87歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人、批評家、翻訳家

英文

“A general loathing of a gang or sect usually has some sound basis in instinct.”

日本語訳

「ある集団や宗派に対する一般的な嫌悪には、たいてい本能に基づいた確かな理由がある」

解説

この言葉は、特定の集団や宗派に対する大衆的な嫌悪感を単なる偏見として片付けず、そこにはしばしば人間の本能的な直感が働いていると主張している。つまり、人々が抱く嫌悪や警戒は、経験的に培われた感覚や社会的自己防衛の結果である可能性があるという考えである。

エズラ・パウンドのこの発言には、彼自身の激しい政治的・社会的立場が色濃く反映されている。彼はしばしば特定の社会集団や権力構造を激しく批判し、そこに人間本性に基づく警戒心を見ていた。この背景には、20世紀前半の社会的分裂やイデオロギー対立が存在し、大衆心理や群衆行動への洞察が求められる時代状況があった。

現代的に解釈すれば、この言葉は社会における大衆感情の根拠を考える視点を与える。例えば、カルト的な組織や反社会的集団に対する拒否反応は、単なる思い込みではなく、安全や秩序を守るための集団的本能に裏付けられていると理解できる。ただし、この本能が偏見や差別に転化する危険もあるため、現代ではその直感を批判的に吟味しつつ活用することが重要である。

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