「自殺者は、未知の世界へ旅立つ前に、少なくとも一匹の豚を道連れにするべきだと、私は常に考えてきた」

- 1885年10月30日~1972年11月1日(87歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、批評家、翻訳家
英文
“I have always thought the suicide should bump off at least one swine before taking off for parts unknown.”
日本語訳
「自殺者は、未知の世界へ旅立つ前に、少なくとも一匹の豚を道連れにするべきだと、私は常に考えてきた」
解説
この言葉は、自殺という極端な行為をただの自己破壊に終わらせるのではなく、社会や他人に対して何らかの影響を及ぼすべきだという、非常に挑発的で皮肉な思想を表している。「豚」という語は、エズラ・パウンドがしばしば使った権力者や腐敗した大衆、あるいは嫌悪する人物の象徴であり、ここでは社会的な敵や不正義を指していると解釈できる。
この発言の背景には、パウンドが生きた20世紀初頭から中盤にかけての政治的・社会的混乱がある。彼は強烈な批評精神を持ち、特に政治や経済システムの腐敗を攻撃していた。従ってこの言葉は、自殺を美化するものではなく、個人が最後まで社会に対して抵抗する姿勢を極端な形で表現したものと考えられる。
現代に応用すれば、この言葉は比喩的に、絶望や諦めに至る前に、せめて不正や不当な状況に抗う行動を取るべきだというメッセージとして読み取ることができる。例えば、辞職する前に職場の不正を告発する、諦める前に声を上げるなど、「無力な退場」ではなく「意味ある行動」を促す思想として理解できるのである。
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