「鐘を鳴らす行為は、すべての布教宗教の象徴である。それは他人の静けさに対する無意味な干渉を意味する」

エズラ・パウンド(画像はイメージです)
  • 1885年10月30日~1972年11月1日(87歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人、批評家、翻訳家

英文

“The act of bell ringing is symbolic of all proselytizing religions. It implies the pointless interference with the quiet of other people.”

日本語訳

「鐘を鳴らす行為は、すべての布教宗教の象徴である。それは他人の静けさに対する無意味な干渉を意味する」

解説

この言葉は、宗教儀式における鐘の音を単なる習慣的行為ではなく、布教や影響力の誇示の象徴として批判的に捉えたものである。鐘を鳴らすことで人々の注意を強制的に引きつけ、宗教的存在感を公共空間に押し出す行為は、信仰の自由と同時に他者の静穏を侵す行為として理解できる。

エズラ・パウンドが生きた近代において、宗教の影響力は依然として社会的に大きかった。彼の発言は、近代的個人主義や芸術的自由の観点から、宗教の公共的介入を煩わしいものとみなす思想を反映していると考えられる。これは当時の西洋社会で進行していた世俗化の流れとも関連している。

現代においても、この言葉は宗教に限らず応用できる。例えば、広告の過剰な音声宣伝や政治的な拡声活動は、公共空間における「静けさ」や「個人の自由」を侵すものと見なされ得る。つまり、この発言は公共空間における過度な主張や干渉の是非を問うものであり、社会生活において今なお重要な示唆を与えるのである。

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