「統制主義は今日、眞の自由、眞のデモクラシーを確保するため、絶對に正しく且つ必要なる指導精神である」

- 1889年1月18日~1949年6月15日(60歳没)
- 日本出身
- 陸軍軍人、戦略家、思想家、著述家
原文
「統制主義は今日、眞の自由、眞のデモクラシーを確保するため、絶對に正しく且つ必要なる指導精神である」
解説
この言葉は、石原莞爾が統制主義を自由や民主主義と対立するものではなく、それを保障するための不可欠な原理であると位置づけたものである。彼にとって統制主義は専制的な抑圧ではなく、社会の混乱や階級対立を克服し、国民全体の自由と民主的秩序を守るための「指導精神」であった。つまり、統制は自由を破壊するものではなく、むしろ条件として機能すると捉えていたのである。
背景には、石原が生きた時代の危機的状況がある。自由主義経済は恐慌による不安定を露呈し、また共産主義は階級闘争によって社会を分裂させていた。その中で石原は、統制による国家的統合こそが社会の安定と真の民主政治を可能にすると考えた。これは、彼の「超階級の政治」や「組合国家」構想とも深く結びついていた。
現代の視点から見ると、この言葉には時代的制約がある一方で、示唆的な部分もある。例えば、感染症対策や環境政策、経済危機においては、一定の統制がなければ自由や民主的秩序そのものが維持できない場面がある。石原の言葉は、統制と自由を二項対立で捉えるのではなく、統制を正しく運用することで真の自由を確保できるという逆説的な視点を示しており、現代の公共政策を考える上でも一考の価値がある。
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