「眞に爭なき精神生活と、安定せる經濟生活とは、我等が血縁を超えて理想に生き、明日の農村を今日の家族のごとき運命共同体となし得た時、はじめて實現し得るものである」

- 1889年1月18日~1949年6月15日(60歳没)
- 日本出身
- 陸軍軍人、戦略家、思想家、著述家
原文
「眞に爭なき精神生活と、安定せる經濟生活とは、我等が血縁を超えて理想に生き、明日の農村を今日の家族のごとき運命共同体となし得た時、はじめて實現し得るものである」
解説
この言葉は、石原莞爾が理想的社会像を「血縁を超えた共同体」として描いたものである。真に争いのない精神的生活と安定した経済生活は、家族の枠を超え、農村を運命共同体として築いたときに初めて実現すると説いている。つまり、共同体的連帯と理想への献身が、平和と安定の基盤であると考えたのである。
背景として、石原は「東亜連盟」や「組合国家」といった構想を通じて、個人や家族単位を超えた大きな共同体を理想に掲げていた。特に農村は国家の根幹であり、ここに精神的統合と経済的安定を築くことが国家全体の再生につながると考えていた。これは、近代化や都市化の進展の中で崩れつつあった共同体意識を再構築する試みでもあった。
現代から見ると、この思想は共同体主義的な色彩が強く、個人の自由を制約する可能性を含んでいる。しかし同時に、社会的孤立や経済的不安定が深刻化する現代社会において、血縁を超えた新しい連帯の必要性は大きな課題となっている。石原の言葉は、持続可能な社会のためには、利己的な個人主義を超え、共同体的なつながりを再評価する必要があるという示唆を与えている。
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