「日本は統制主義國家として獨立せねばならぬ」

石原莞爾(画像はイメージです)
  • 1889年1月18日~1949年6月15日(60歳没)
  • 日本出身
  • 陸軍軍人、戦略家、思想家、著述家

原文

「日本は統制主義國家として獨立せねばならぬ」

解説

この言葉は、石原莞爾が日本の進むべき道を統制主義国家として描いた主張である。彼は、自由主義や資本主義の段階を経た近代社会が、総力戦の時代に入った以上、国家が経済や社会を統制しなければ存立できないと考えた。そのため、日本が国際社会で独立を維持するためには、自由主義的な体制ではなく、統制主義国家として自立しなければならないと主張したのである。

背景には、当時の日本が欧米列強に対抗しつつ、資源的にも制約の多い中で生き残りを模索していた状況がある。特に石原は、総力戦に耐えるには国家全体を組織化し、資源・労働力・経済活動をすべて戦略的に統制する必要があると考えていた。つまり、この発言は単なる政治理念ではなく、国際競争と戦争の現実を踏まえた生存戦略としての意味を持っていた。

現代の視点から見ると、この主張は時代的制約を強く帯びている。自由主義と民主主義が国際秩序の基本となった現代において、日本が「統制主義国家」として存立することは現実的ではない。しかし一方で、国家的危機や非常時において、自由と統制のバランスをどう取るかという課題は今も存在する。石原の言葉は、統制主義そのものを肯定するというよりも、国家の独立と生存のために体制をどう設計すべきかという問題提起として受け取ることができる。

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