「フランス革命に於ける軍事上の変化の直接原因は兵器の進歩ではなかったことであります」

- 1889年1月18日~1949年6月15日(60歳没)
- 日本出身
- 陸軍軍人、戦略家、思想家、著述家
原文
「フランス革命に於ける軍事上の変化の直接原因は兵器の進歩ではなかったことであります」
解説
この言葉は、石原莞爾がフランス革命による戦争の変化は技術的要因ではなく社会的要因に根ざしていたと指摘したものである。一般に軍事の発展は兵器や技術革新によると考えられがちだが、石原はフランス革命の本質を、国民の政治的覚醒と大衆の動員に見出していた。つまり、軍事上の変化をもたらしたのは兵器ではなく、人間と社会の変革であったということである。
背景として、フランス革命は国民皆兵を実現し、市民が国家のために戦うという新しい戦争の形を生み出した。それまでの戦争は国王や傭兵が担う限定的なものであったが、革命以降は国民全体を基盤とする大規模な総力戦の端緒となった。石原はこの変化を兵器の進歩に帰すのではなく、社会の大転換によって説明したのである。
現代においても、この洞察は示唆的である。核兵器やサイバー兵器など技術の発展は戦争を変えてきたが、同時に民主化やナショナリズム、大衆動員といった社会的要因が戦争の性格を根本から左右してきたことも確かである。石原の言葉は、軍事を単なる技術や装備の問題に還元せず、社会と人間の在り方から理解する重要性を強調するものとして受け取ることができる。
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