「鉄砲が発達して来ますと、射撃をし易くするためにも、味方の損害を減ずるためにも、隊形がだんだん横広くなって深さを減ずるようになりました」

- 1889年1月18日~1949年6月15日(60歳没)
- 日本出身
- 陸軍軍人、戦略家、思想家、著述家
原文
「鉄砲が発達して来ますと、射撃をし易くするためにも、味方の損害を減ずるためにも、隊形がだんだん横広くなって深さを減ずるようになりました」
解説
この言葉は、石原莞爾が火器の発達と戦術の変化を説明したものである。鉄砲が普及する以前、古代や中世の戦闘では縦深のある密集隊形が一般的であった。しかし射撃武器の性能が高まるにつれて、敵への射撃効率を上げ、同時に味方の損害を減らすために、部隊は横に広がり、縦の深さを縮める布陣へと移行した。これは軍事技術の進歩が直接的に戦術を変える典型例である。
背景として、近世ヨーロッパにおける火縄銃の普及や、鉄砲隊の登場が戦争の形態を大きく変えたことがある。石原はこれを歴史的な必然と捉え、兵器技術が戦場の形を決定づけることを強調している。鉄砲は単なる武器の革新にとどまらず、戦術・組織・さらには軍隊制度全般を変容させる力を持っていた。
現代においても、この視点は極めて重要である。例えば、航空機やミサイル、ドローンの発達は、現代の戦術や布陣を大きく変化させている。石原の言葉は、戦争における技術革新が戦術を根本から変えることを教えており、過去から現在に至るまでの軍事史を貫く普遍的な原理を示している。
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