「統一インドという考えはいかなる形でもうまくいくはずがなく、私の判断では、それは恐ろしい破滅を招いたであろう。おそらくその見解は正しいかもしれないし、そうでないかもしれない―それは今後明らかになることである」

- 1876年12月25日~1948年9月11日(71歳没)
- パキスタン出身
- 政治家、弁護士、パキスタン建国の父、初代総督
英文
”Any idea of a united India could never have worked, and in my judgment, it would have led us to terrific disaster. Maybe that view is correct; maybe it is not – that remains to be seen.”
日本語訳
「統一インドという考えはいかなる形でもうまくいくはずがなく、私の判断では、それは恐ろしい破滅を招いたであろう。おそらくその見解は正しいかもしれないし、そうでないかもしれない―それは今後明らかになることである」
出典
出典不詳(編集中)
解説
この言葉は、ジンナーが統一インド構想の限界と危険性について語ったものである。彼はヒンドゥーとムスリムの歴史的・文化的・宗教的差異を踏まえ、統一国家の維持は不可能であり、むしろ大規模な対立と暴力を招くと考えていた。この判断が「二民族理論」とパキスタン独立の根拠となり、結果的に分離独立が選ばれる道筋を作った。
歴史的背景として、独立運動の終盤において国民会議派は統一国家の維持を主張した一方、ジンナー率いる全インド・ムスリム連盟はムスリムの独自性を守るため分離を求めた。ジンナーは統一インドが成立すれば、多数派による少数派支配が不可避であり、深刻な内紛を引き起こすと警告した。この発言には、自らの判断が歴史的に正しいかどうかは未来が証明するという、冷静かつ現実的な自己認識が込められている。
現代においても、この言葉は国家統合と分離の難題を考える上で普遍的な意味を持つ。多民族・多宗教国家における統一の理想は魅力的である一方、現実の分断を無視すれば深刻な混乱を生む可能性がある。ジンナーの発言は、理想と現実の間で国家の形をどう選ぶかは歴史が証明するという慎重な視点を示しており、今日の国際社会にも通じる教訓を含んでいる。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?