「いまだにこのような誤った考えを抱く者たち、このような幻想を抱く者たちに気づかせよ。無政府主義や卑劣な犯罪によって善き政府をもたらすことはできないと。これらの方法は世界のいかなる国においても成功しておらず、インドにおいても成功する可能性はないと気づかせよ」

- 1876年12月25日~1948年9月11日(71歳没)
- パキスタン出身
- 政治家、弁護士、パキスタン建国の父、初代総督
英文
”Let those men who still have these misguided ideas, let those men who still have these hallucinations, realize that by anarchism, by dastardly crimes, they cannot bring about good government; let them realize that these methods have not succeeded in any country of the world and are not likely to succeed in India.”
日本語訳
「いまだにこのような誤った考えを抱く者たち、このような幻想を抱く者たちに気づかせよ。無政府主義や卑劣な犯罪によって善き政府をもたらすことはできないと。これらの方法は世界のいかなる国においても成功しておらず、インドにおいても成功する可能性はないと気づかせよ」
解説
この言葉は、ジンナーが暴力や無政府的手法に基づく独立運動を強く批判した発言である。彼は、暗殺や爆弾事件などを通じて独立を目指す急進派の運動を「幻想」と呼び、国家建設に必要なのは暴力ではなく、法的・政治的な正統性に基づく闘争であると訴えた。ジンナーにとって、暴力は短期的な混乱をもたらすだけであり、持続的な「善き政府」を実現する道ではなかった。
歴史的背景として、この発言は20世紀前半のインド独立運動の多様な潮流と関わる。当時、ガンディーの非暴力運動とは別に、革命的テロリズムを掲げるグループも存在した。ジンナーは彼らの行動が国際的な支持を失わせ、インドの政治的信用を傷つけると認識していた。そのため、彼は暴力ではなく、組織的な政治活動と大衆の協力こそが独立の道を開くと説いたのである。
現代においても、この言葉は普遍的な意味を持つ。暴力やテロを通じて政治的目的を達成しようとする試みは世界各地で見られるが、その多くは持続的な成果を生まない。ジンナーの指摘は、正義ある統治や社会改革は暴力ではなく、法と協力に基づく努力から生まれるという現代社会にも通じる教訓を与えている。
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