「イスラムはすべてのムスリムにこの義務を果たすことを求めている。そして我々が自らの責任を自覚すれば、やがて我々は栄光ある過去にふさわしい存在であることを証明できる時が来るであろう」

- 1876年12月25日~1948年9月11日(71歳没)
- パキスタン出身
- 政治家、弁護士、パキスタン建国の父、初代総督
英文
”Islam expect every Muslim to do this duty, and if we realise our responsibility time will come soon when we shall justify ourselves worthy of a glorious past.”
日本語訳
「イスラムはすべてのムスリムにこの義務を果たすことを求めている。そして我々が自らの責任を自覚すれば、やがて我々は栄光ある過去にふさわしい存在であることを証明できる時が来るであろう」
解説
この言葉は、ジンナーがイスラムの教えと歴史的誇りを結びつけ、現代のムスリムに行動を促したものである。彼は、イスラムが単なる宗教儀礼にとどまらず、信徒に社会的・道徳的責任を課す体系であると考えた。その責任を果たすことで、ムスリム共同体はかつての文明的栄光に再びふさわしい地位を取り戻せると説いている。ここでは、信仰と責任の自覚が未来を切り拓く力であると強調されている。
歴史的背景として、ジンナーはインド亜大陸におけるムスリム共同体が衰退し、政治的に不利な立場に置かれていることを痛感していた。イスラム文明はかつて科学、哲学、芸術などで黄金期を築いたが、その栄光は失われつつあった。ジンナーの言葉は、宗教的誇りを再生の原動力とし、社会改革や国家建設に結びつけようとする呼びかけである。
現代においても、この言葉は普遍的な意味を持つ。いかなる共同体や国家も、過去の栄光を誇るだけでは未来を築けない。信念に基づいた責任の自覚と実践こそが、伝統を未来へとつなげる力となる。ジンナーの発言は、信仰と責任ある行動が歴史的連続性を回復する道であるという普遍的な教訓を示している。
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