「我々の目標は内における平和、そして外における平和でなければならない。我々は平和的に生き、近隣諸国や広く世界と友好的で温かい関係を維持したいと願っている」

- 1876年12月25日~1948年9月11日(71歳没)
- パキスタン出身
- 政治家、弁護士、パキスタン建国の父、初代総督
英文
”Our object should be peace within, and peace without. We want to live peacefully and maintain cordial friendly relations with our immediate neighbours and with the world at large.”
日本語訳
「我々の目標は内における平和、そして外における平和でなければならない。我々は平和的に生き、近隣諸国や広く世界と友好的で温かい関係を維持したいと願っている」
解説
この言葉は、ジンナーが新生パキスタンの外交・内政理念を明確にしたものである。彼は、国内の安定と国際的な友好関係の両立こそが国家の存続と繁栄の基盤であると考えていた。特に独立直後のパキスタンは、国内に多くの移民や宗派的緊張を抱え、また隣国インドとの関係がきわめて不安定であったため、内外の平和が切実な課題であった。
歴史的背景として、1947年の分離独立後、インドとパキスタンの間にはカシミール問題をはじめとする領土・宗派をめぐる対立が生じていた。ジンナーはそのような緊張を前にしても、対立の拡大ではなく、平和的共存を目指す姿勢を示した。これは単なる理想主義ではなく、資源や経済基盤の乏しい新国家が生き残るための現実的な戦略でもあった。
現代においても、この言葉は国家間関係や国内統治における普遍的な教訓を与える。多民族・多宗教社会において内部の融和がなければ外部との信頼関係も築けない。また、国際政治においても孤立ではなく協調が繁栄の鍵となる。ジンナーの言葉は、真の平和とは国内と国際社会の両方における調和であるという普遍的な理念を伝えている。
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