「自由は苦難と犠牲なしにはいかなる国も決して獲得できないということは、この亜大陸で最近起きた悲劇的な出来事によって十分に証明された」

- 1876年12月25日~1948年9月11日(71歳没)
- パキスタン出身
- 政治家、弁護士、パキスタン建国の父、初代総督
英文
”That freedom can never be attained by a nation without suffering and sacrifice has been amply borne out by the recent tragic happenings in this subcontinent.”
日本語訳
「自由は苦難と犠牲なしにはいかなる国も決して獲得できないということは、この亜大陸で最近起きた悲劇的な出来事によって十分に証明された」
解説
この言葉は、ジンナーが独立の代償について国民に語ったものである。自由は自然に与えられるものではなく、必ず犠牲を伴うものであるという現実を直視させている。彼は、パキスタン建国を実現した過程において、多くの人々が命や財産を失い、避難民となった事実を踏まえて、自由は血と苦難を通じてのみ獲得されると強調している。
歴史的背景として、1947年のインド・パキスタン分離独立は、史上最大規模の人口移動と宗派暴動を引き起こし、数百万人が難民となり、数十万人が命を落とした。ジンナーの言葉は、この悲劇的な現実を正面から受け止めつつ、その犠牲が無駄ではなく、新国家誕生の必然的な代償であったと国民に理解させようとするメッセージである。
現代においても、この言葉は国家や社会の自由・独立の本質を示している。歴史上、多くの国々は独立や人権を得るために大きな犠牲を払ってきた。今日の民主化運動や社会改革でも同様に、苦難と犠牲なしに真の自由は実現しないという教訓は生き続けている。ジンナーの発言は、自由の価値を軽んじることなく、その背後にある犠牲を忘れてはならないという普遍的な真理を語っている。
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