「この偉大な国家パキスタンを幸福で繁栄したものにしたいならば、我々は人々、特に大衆と貧しい者たちの幸福に専心しなければならない」

- 1876年12月25日~1948年9月11日(71歳没)
- パキスタン出身
- 政治家、弁護士、パキスタン建国の父、初代総督
英文
”If we want to make this great State of Pakistan happy and prosperous, we should wholly and solely concentrate on the well-being of the people, and especially of the masses and the poor.”
日本語訳
「この偉大な国家パキスタンを幸福で繁栄したものにしたいならば、我々は人々、特に大衆と貧しい者たちの幸福に専心しなければならない」
解説
この言葉は、ジンナーが建国の理念として掲げた社会的正義の重要性を示している。パキスタンは宗教的アイデンティティを基盤に独立を果たした国家であるが、ジンナーはその維持と発展のためには単なる政治的独立ではなく、民衆の生活向上こそが不可欠であると考えていた。この言葉に込められた強調点は、国家の繁栄を支えるのは富裕層ではなく、大多数を占める庶民と弱者であるという認識である。
歴史的背景として、パキスタンは1947年の独立直後に大規模な移民の流入や経済的困難に直面していた。土地を失った難民、生活基盤を持たない人々が多く存在し、国家の統合には彼らの生活を安定させることが不可欠であった。ジンナーの発言は、こうした状況において政治指導者が何よりも優先すべき課題を明確に示している。つまり、国家建設の正当性は国民の福祉によって裏付けられるという考え方である。
現代においても、この言葉は大きな意味を持つ。経済成長が国家の目標とされる一方で、格差拡大や貧困層の取り残しが社会不安を生む事例は少なくない。ジンナーの指摘は、国家の幸福と繁栄はGDPや国際的評価だけで測られるものではなく、最も弱い立場にある人々の生活改善を優先することによってこそ達成されるという普遍的な真理を伝えている。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?