「我々は神に仕えるか、あるいはユダヤ人の安全を保障しなければならない。そしてそれは、彼らがパレスチナ人を受け入れ、パレスチナ人を認め、共に一つの国家で生きるべきだという事実を受け入れることで可能となる。不幸なことに、ユダヤ人は自らの友であるアラブ人と戦っている」

- 1942年6月7日~2011年10月20日(69歳没)
- リビア出身
- 軍人、政治家、革命指導者、リビア国家元首
英文
”We have to serve God or guarantee the safety of the Jews. And this can be done by them accepting the Palestinians, recognizing the Palestinians, accepting that fact that they should live with the Palestinians in one state, together. Unfortunately, the Jews are fighting or struggling against their own friend – the Arabs.”
日本語訳
「我々は神に仕えるか、あるいはユダヤ人の安全を保障しなければならない。そしてそれは、彼らがパレスチナ人を受け入れ、パレスチナ人を認め、共に一つの国家で生きるべきだという事実を受け入れることで可能となる。不幸なことに、ユダヤ人は自らの友であるアラブ人と戦っている」
解説
この言葉は、イスラエルとパレスチナの対立における共存の道を強調した発言である。カッザーフィーは二国家解決を否定し、ユダヤ人とパレスチナ人が一つの国家で暮らす「一国家解決案」を支持していた。その前提として、パレスチナ人の存在を否認せず、平等な権利を認め合うことが必要だと説いている。宗教的次元と安全保障の次元を結びつけ、「神への奉仕」と「ユダヤ人の安全」を同列に置いた点も特徴的である。
歴史的に見ると、この発言は中東和平が停滞し、双方の武力衝突が続いていた時代背景に根ざしている。ユダヤ人とアラブ人は本来、共通の歴史や文化的つながりを持つ隣人であるにもかかわらず、政治的対立により敵対関係に陥っていることを「友を敵にしている」と批判している。
現代においても、この言葉は対立を超えて共存するための条件を示すものとして重要である。民族や宗教の相違を乗り越えて共に生きるためには、相互承認と平等な権利保障が欠かせない。したがって、この発言は単なる理想論にとどまらず、持続的な平和のための具体的な指針を含んだものである。
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