「時代は変わる。私が最初に業界に入った頃のハリウッドとはもう同じではない。金を生むものに集約し、狭まりつつあるように私には感じられた」

- 1936年8月18日~2025年9月16日(89歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 俳優、映画監督、プロデューサー、環境活動家
英文
“Times change; Hollywood is not the same as it was when I first entered the business. It felt to me like it was starting to narrow down and centralize itself around what would… make money.”
日本語訳
「時代は変わる。私が最初に業界に入った頃のハリウッドとはもう同じではない。金を生むものに集約し、狭まりつつあるように私には感じられた」
解説
この言葉は、ハリウッドの変質と商業主義の台頭についての批評である。レッドフォードが映画界に入った1950年代から60年代にかけては、多様な作品が模索されていたが、彼の視点ではやがて利益追求を最優先にする傾向が強まっていった。映画の芸術性や社会的意義よりも、興行収入や市場性が重視されるようになったという嘆きが読み取れる。
背景には、アメリカ映画産業が巨大資本とマーケティング戦略に依存していく流れがある。70年代の「ニューシネマ」運動の後、80年代以降は大作志向が進み、ハリウッドはブロックバスター中心の構造に変化していった。レッドフォードはこうした変化を敏感に感じ取り、サンダンス映画祭を通じてインディペンデント映画の育成を試みた。
現代への応用として、この言葉は文化産業における多様性と独立性の重要性を考えさせる。利益一辺倒の体制では表現の幅が狭まり、観客にとっても損失となる。レッドフォードの批判は、今もなおストリーミング時代の映画制作や配信に通じるものであり、芸術性と商業性のバランスという永続的な課題を浮き彫りにしている。
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