「自分の人生がだんだん自分のものではなくなっていくことが気に入らない。世間には、自分を大衆に差し出す義務があるという風潮がある。実際には、望むと望まざるとにかかわらず大衆にさらされてしまう。もしそれが嫌なら、それを引き起こす行為をやめるべきだろう。私の場合、それは演技だ」

- 1936年8月18日~2025年9月16日(89歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 俳優、映画監督、プロデューサー、環境活動家
英文
”I guess I don’t like the fact that my life is becoming less and less my own – the prevailing attitude that you have an obligation to deliver yourself to the public. Actually, you’re delivered to the public whether you like it or not. I guess if you don’t like it, you should stop doing what provokes it. In my case, that’s acting.”
日本語訳
「自分の人生がだんだん自分のものではなくなっていくことが気に入らない。世間には、自分を大衆に差し出す義務があるという風潮がある。実際には、望むと望まざるとにかかわらず大衆にさらされてしまう。もしそれが嫌なら、それを引き起こす行為をやめるべきだろう。私の場合、それは演技だ」
解説
この言葉は、俳優という職業とプライベートの喪失を率直に語っている。名声を得ることで、人生が「自分だけのもの」ではなくなり、世間の期待に応える義務を背負わされるようになることへの違和感が表れている。「whether you like it or not」という表現に、逃れられない公的存在としての宿命が込められている。
ロバート・レッドフォードは若くしてスターの地位を得たが、その反面、プライバシーの欠如や大衆からの注目に常にさらされてきた。この発言は、その矛盾と葛藤を正直に表現したものといえる。演技や映画制作を愛しつつも、それがもたらす名声と制約を苦々しく思う心情が垣間見える。
現代に適用すれば、この言葉は有名人だけでなく、SNS時代に生きる人々の状況にも当てはまる。誰もがオンラインで発信することで、望まぬ注目や期待を受けることがある。レッドフォードの言葉は、自己表現の自由と社会からの視線の間でのバランスをどう取るかという普遍的な課題を浮き彫りにしているのである。
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