「批評家の中には『マヤ・アンジェロウは生まれながらの作家だ』と書く人もいます――まるで『生まれながらの心臓外科医』と言うようなものです」

- 1928年4月4日~2014年5月28日(86歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、作家、歌手、舞台俳優、公民権運動活動家
英文
“Some critics will write ‘Maya Angelou is a natural writer’ – which is right after being a natural heart surgeon.”
日本語訳
「批評家の中には『マヤ・アンジェロウは生まれながらの作家だ』と書く人もいます――まるで『生まれながらの心臓外科医』と言うようなものです」
解説
この言葉は、「天賦の才」という幻想に対する皮肉である。アンジェロウは、自分の執筆活動が努力と鍛錬の積み重ねであるにもかかわらず、「自然な才能」として片付けられることに強い違和感を抱いていた。心臓外科医に「自然に」なれるわけがないように、作家もまた長い学びと練習を経て成り立つ職業である。
歴史的に、多くの芸術家や作家が同様の誤解を受けてきた。シェイクスピアやトルストイも才能に恵まれていたことは事実だが、それ以上に彼らは膨大な執筆と改稿の時間を費やしている。アンジェロウの言葉は、作家の営みを専門職的な労働として捉えるべきだという主張でもある。
現代においても、しばしば「才能があるからできる」と他人の成果を軽視しがちだ。しかしアンジェロウは、この皮肉を通じて「努力の見えない部分」を可視化し、創作の価値を守ろうとしている。彼女の比喩は、成果の背後にある労苦を正しく評価することの大切さを教えている。
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