「過去に戻るたびに、今でも怖さを感じます。毎朝、胸が締めつけられます。そこに戻ると、光がどう差していたか、風がどこから吹き込んでいたか、空気にどんな匂いが漂っていたかを思い出します。書くとき、私はすべての涙を吐き出すのです」

マヤ・アンジェロウ(画像はイメージです)
マヤ・アンジェロウ(画像はイメージです)
  • 1928年4月4日~2014年5月28日(86歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人、作家、歌手、舞台俳優、公民権運動活動家

英文

”It’s still scary every time I go back to the past. Each morning, my heart catches. When I get there, I remember how the light was, where the draft was coming from, what odors were in the air. When I write, I get all the weeping out.”

日本語訳

「過去に戻るたびに、今でも怖さを感じます。毎朝、胸が締めつけられます。そこに戻ると、光がどう差していたか、風がどこから吹き込んでいたか、空気にどんな匂いが漂っていたかを思い出します。書くとき、私はすべての涙を吐き出すのです」

解説

この言葉は、過去の記憶と創作の関係を示している。アンジェロウは、自身の経験した痛みや恐怖を思い出すことは常に苦痛でありながらも、それを文字にすることで感情を浄化し、心の重荷を解放している。ここで描かれる「涙を吐き出す」という表現は、書く行為が彼女にとっての癒しと解放であることを示している。

背景には、アンジェロウの幼少期のトラウマや人種差別の体験がある。彼女は沈黙の時期を経て、言葉と文学によって自己を取り戻した。過去を直視するのは恐ろしいが、それを避けるのではなく作品へと昇華することで、個人的体験を普遍的な真実へと変えていったのである。

現代においても、この言葉は強い示唆を持つ。誰にとっても過去の痛みを思い返すことは容易ではない。しかし、表現を通じて記憶を言語化することは、自己理解や癒しにつながる。アンジェロウの言葉は、書くことや語ることが持つ力を示し、個人的な苦しみを超えて他者と共有しうる真実へと変えていけることを教えている。

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