「若いシニックほど哀れなものはありません。なぜなら、彼は無知の状態から何も信じない状態へと堕ちてしまったからです」

マヤ・アンジェロウ(画像はイメージです)
マヤ・アンジェロウ(画像はイメージです)
  • 1928年4月4日~2014年5月28日(86歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人、作家、歌手、舞台俳優、公民権運動活動家

英文

”There is nothing so pitiful as a young cynic because he has gone from knowing nothing to believing nothing.”

日本語訳

「若いシニックほど哀れなものはありません。なぜなら、彼は無知の状態から何も信じない状態へと堕ちてしまったからです」

解説

この言葉は、マヤ・アンジェロウが若者のシニシズム(冷笑主義)の危うさを指摘したものである。若者は本来、未知の世界に対する好奇心と未来への信頼を持ちやすい存在である。しかしその心が早くも疑念と不信で覆われてしまうと、成長の可能性を失い、希望を抱く力を削がれてしまう。アンジェロウはその状態を「哀れ」と表現し、信じる力の喪失が人間の生を貧しくすると警告している。

アンジェロウ自身、差別や困難の中で生きたが、それでも詩や文学、芸術への信頼を失わなかった。彼女にとって、信じる力は生き抜くためのエネルギーであり、次世代に最も伝えたい価値であった。だからこそ、知識を得る過程で本来育まれるべき信頼や理想が、逆にシニシズムへと変わってしまうことを強く憂慮したのである。

現代においても、この名言は重要な示唆を持つ。若者が社会や未来に不信感を抱くことは珍しくないが、それが固定化すれば行動や創造を阻む壁となる。アンジェロウの言葉は、学びと信じる力を併せ持つことが真の成熟であり、希望を失わないことこそが人生を豊かにすると伝えているのである。

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