「長いメーターの賛美歌では、一人の歌い手が『一節を唱える』と呼ばれることをします。そして教会全体がその一節を繰り返して歌います。すると、隙間に針一本差し込めないほどにぴったりとした調和の壁が築かれるのです」

マヤ・アンジェロウ(画像はイメージです)
マヤ・アンジェロウ(画像はイメージです)
  • 1928年4月4日~2014年5月28日(86歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人、作家、歌手、舞台俳優、公民権運動活動家

英文

”In a long meter hymn, a singer – they call it ‘lays out a line.’ And then the whole church joins in in repeating that line. And they form a wall of harmony so tight, you can’t wedge a pin between it.”

日本語訳

「長いメーターの賛美歌では、一人の歌い手が『一節を唱える』と呼ばれることをします。そして教会全体がその一節を繰り返して歌います。すると、隙間に針一本差し込めないほどにぴったりとした調和の壁が築かれるのです」

解説

この言葉は、マヤ・アンジェロウが黒人教会の音楽的伝統と共同体の力を描写したものである。長いメーターの賛美歌における「コール・アンド・レスポンス」の形式は、個人の声が集団の声に受け止められ、やがて強固な調和を生み出す過程を象徴している。アンジェロウはその一体感を「隙間に針一本も入らない」ほどの和声と表現し、共同体の絆を鮮やかに伝えている。

歴史的背景として、アメリカの黒人教会は奴隷制度時代から続く精神的な支えと抵抗の場であった。賛美歌や霊歌は苦難の中で人々をつなぎ、希望を与える力を持っていた。アンジェロウ自身も幼少期から教会音楽に親しみ、その文化が彼女の詩的感性や表現力を育んだ。この言葉には、個の声が集団に抱かれ力強い調和を生むという経験が凝縮されている。

現代においても、この名言は音楽だけでなく社会生活に応用できる。一人の声や行動が仲間に受け止められ共鳴するとき、強固な連帯や変革が生まれる。つまりアンジェロウは、調和と共同体の力が個人の声を何倍にも強めるという普遍的な真理を、教会音楽の比喩を通して伝えているのである。

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