「ピアニストが鍵盤の上に指を走らせるように、私は何を語るべきかを心の中で探ります。詩があなたに自分を書かせたがるときもあれば、ある状況を目にして『これについて書きたい』と思うときもあります。詩に近づかれる方法と詩に近づく方法、この二つは異なるのです」

マヤ・アンジェロウ(画像はイメージです)
マヤ・アンジェロウ(画像はイメージです)
  • 1928年4月4日~2014年5月28日(86歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人、作家、歌手、舞台俳優、公民権運動活動家

英文

”Like a pianist runs her fingers over the keys, I’ll search my mind for what to say. Now, the poem may want you to write it. And then sometimes you see a situation and think, ‘I’d like to write about that.’ Those are two different ways of being approached by a poem, or approaching a poem.”

日本語訳

「ピアニストが鍵盤の上に指を走らせるように、私は何を語るべきかを心の中で探ります。詩があなたに自分を書かせたがるときもあれば、ある状況を目にして『これについて書きたい』と思うときもあります。詩に近づかれる方法と詩に近づく方法、この二つは異なるのです」

解説

この言葉は、マヤ・アンジェロウが創作における直感と主体性の二面性を語ったものである。詩が自分を選ぶように言葉が自然に降りてくる瞬間と、自分が現実の出来事を見てそれを詩にしたいと感じる瞬間は、異なる創造の契機であると示している。ここでの比喩「ピアニストが鍵盤をなぞるように」は、表現を探る繊細で探究的な態度を鮮やかに描き出している。

アンジェロウは詩人として、自身の経験や社会的現実を作品に昇華させた。同時に、言葉に導かれるような瞬間も数多く経験したことだろう。彼女にとって詩作は、自分の意志と詩そのものの力の交わりによって成立する営みであった。この言葉は、詩が単なる技術や計画ではなく、時に不可避な衝動や呼びかけで生まれることを示している。

現代においても、この名言は創作に携わる人々に大きな示唆を与える。音楽や絵画、文学など、芸術表現の多くは「自分が題材を選ぶ」と同時に「題材に選ばれる」側面を持つ。つまりアンジェロウは、創造とは自発性と受動性の両立であり、そのバランスを受け入れることが芸術を深める道であると教えているのである。

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