「もし女性が従属のために教育され、すなわち他の誤りうる存在の意志に従って行動し、正しかろうと間違っていようと権力に服従するよう仕向けられるなら、私たちは一体どこで立ち止まるのでしょうか」

メアリ・ウルストンクラフト(画像はイメージです)
  • 1759年4月27日~1797年9月10日(38歳没)
  • イギリス出身
  • 作家、哲学者

英文

”If women be educated for dependence; that is, to act according to the will of another fallible being, and submit, right or wrong, to power, where are we to stop?”

日本語訳

「もし女性が従属のために教育され、すなわち他の誤りうる存在の意志に従って行動し、正しかろうと間違っていようと権力に服従するよう仕向けられるなら、私たちは一体どこで立ち止まるのでしょうか」

解説

この言葉は、女性を従属的存在として育てる教育の危険性を鋭く指摘している。女性が自らの理性ではなく他者の意志に従うよう教育されれば、それは正義や真理とは無関係に権力へ盲目的に従う姿勢を生み出す。著者は、それが広がれば社会全体が堕落し、人間の自由と理性が根本から脅かされると警告している。

当時の社会では、女性は「従順さ」を美徳とされ、教育の目的も家庭内での従属に置かれていた。著者はこれを批判し、女性に理性と自立を育む教育を与えなければ、不正に対しても疑問を持たずに服従する市民を生み出すことになると論じた。ここには、女性の権利を訴えるだけでなく、社会全体の健全性を守ろうとする視点がある。

現代においても、この名言は重要な意味を持つ。権威や慣習に盲従する態度は、性別を問わず民主主義や人権の基盤を脅かす。したがってこの言葉は、教育は従属ではなく理性と自立を育むものでなければならないという普遍的な原則を示しており、社会の自由を守るための警鐘となっているのである。

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