「理性以外のいかなる権威にも従う存在は、理性的でも徳ある者とも呼ぶことはできません」

- 1759年4月27日~1797年9月10日(38歳没)
- イギリス出身
- 作家、哲学者
英文
”The being cannot be termed rational or virtuous, who obeys any authority, but that of reason.”
日本語訳
「理性以外のいかなる権威にも従う存在は、理性的でも徳ある者とも呼ぶことはできません」
解説
この言葉は、理性こそが唯一の正当な権威であるという啓蒙思想の核心を表している。伝統、慣習、宗教的権威、さらには男性支配といった外的な権威に盲目的に従う者は、たとえ従順に見えても理性的でも徳ある存在でもない。著者は、真の理性と徳は自らの判断による主体的な行動から生まれると強調している。
この考えは、当時の社会における不平等構造への批判と直結している。女性は従順さや服従を美徳とされ、理性を働かせる機会を奪われていた。著者はそれを否定し、男女を問わず理性に従うことが人間の本質的な価値であると訴えた。この視点は、権威や地位による支配を根本から問い直す急進的なものであった。
現代においても、この名言は鋭い意義を持つ。政治的権力、社会的規範、企業やメディアの影響など、理性以外の「権威」に従う危険は常に存在する。だからこそ、この言葉は理性に基づく批判精神を保つことが、人間としての自由と徳を守る唯一の道であることを改めて教えているのである。
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