「ある人を大胆な悪人にしてしまう性格のエネルギーも、もし社会が適切に組織されていれば、その人を社会に有用な存在にしていたでしょう」

- 1759年4月27日~1797年9月10日(38歳没)
- イギリス出身
- 作家、哲学者
英文
”The same energy of character which renders a man a daring villain would have rendered him useful in society, had that society been well organized.”
日本語訳
「ある人を大胆な悪人にしてしまう性格のエネルギーも、もし社会が適切に組織されていれば、その人を社会に有用な存在にしていたでしょう」
解説
この言葉は、人の性格や能力は社会の仕組みによって善にも悪にも転じうるという洞察を示している。大胆さや強い意志といった資質は、社会が不正や腐敗に満ちていれば犯罪や破壊的行動に流れるが、健全に組織された社会であれば改革や創造の力として発揮される。つまり、悪人を生み出すのは個人の性質そのものではなく、社会の在り方だと主張しているのである。
18世紀当時、この考え方は啓蒙思想の一環として現れた。人間は本来の性質で決定されるのではなく、環境や教育によって形づくられるという思想である。著者はここで、悪を非難するだけでなく、社会制度を改善することで人間の潜在力を善へと導くべきだと訴えている。
現代においても、この名言は大きな意味を持つ。たとえば貧困や不平等により犯罪に手を染める人々も、そのエネルギーが教育や職業の機会と結びつけば社会を支える力になりうる。つまり、社会の組織と制度の設計が人間の資質の善悪を左右するという普遍的な真理を、この言葉は鮮明に示しているのである。
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