「私は男性を仲間として愛します。しかし彼の王権が本物であれ僭称であれ、それが私に及ぶことはありません。もしもある個人の理性が私の敬意を求めるなら、そのとき私が服従するのは理性であって、人そのものではありません」

- 1759年4月27日~1797年9月10日(38歳没)
- イギリス出身
- 作家、哲学者
英文
”I love my man as my fellow; but his scepter, real, or usurped, extends not to me, unless the reason of an individual demands my homage; and even then the submission is to reason, and not to man.”
日本語訳
「私は男性を仲間として愛します。しかし彼の王権が本物であれ僭称であれ、それが私に及ぶことはありません。もしもある個人の理性が私の敬意を求めるなら、そのとき私が服従するのは理性であって、人そのものではありません」
解説
この言葉は、男女関係における平等の理念を明確に表している。当時の社会では、男性が女性に対して支配権を持つことが当然とされていた。しかし著者は、愛情は対等な人間同士の結びつきであるべきだと主張し、権力や地位に基づく服従を拒否している。ここには、結婚や恋愛関係においても理性と対等性を基盤とすべきだという強い意志が込められている。
さらに重要なのは、彼女が服従の対象を「人」ではなく「理性」に置いている点である。人が敬意を受けるべきなのは、その地位や権力ではなく、合理的な思考と行動によってである。つまり、彼女は理性こそが唯一の正当な権威であると宣言しているのである。これは啓蒙思想の影響を強く受けた、普遍的な人間観に基づいている。
現代の文脈でも、この名言は大きな意味を持つ。権力関係や性別に依存した支配ではなく、互いの理性を尊重する関係性こそが持続的で公正な人間関係を築く基盤である。恋愛や結婚だけでなく、政治や職場においても同様に、権威ではなく理性を尊重する態度が平等社会の根幹をなす。この言葉はその普遍的な指針を提示しているのである。
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