「私が成長していた頃、文学はいわゆる告白派の詩人たちに関わっていました。しかし私はそれに興味がありませんでした。特定の個人的な視点は、読者にとってまったくうまく機能しないと思ったのです」

- 1935年9月10日~2019年1月17日(83歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、作家、ピュリッツァー賞受賞者
英文
”At the time I was growing up, literature was involved with the so-called confessional poets. And I was not interested in that. I did not think that specific and personal perspective functioned well for the reader at all.”
日本語訳
「私が成長していた頃、文学はいわゆる告白派の詩人たちに関わっていました。しかし私はそれに興味がありませんでした。特定の個人的な視点は、読者にとってまったくうまく機能しないと思ったのです」
解説
この言葉は、文学における個人的告白の限界を指摘している。20世紀半ばのアメリカでは、自己の体験や感情を赤裸々に語る「告白派詩人」が注目を集めていた。しかしメアリー・オリバーは、それを読者に普遍的な力をもたらすものとは考えなかった。彼女にとって重要なのは、個人を超えた普遍性を読者と共有することであった。
オリバーの詩が自然や観察を中心に据えているのは、この姿勢と結びついている。個人的体験を直接語るのではなく、自然という共通の対象を通して人間の感情や存在を描き出すことで、より広い読者に響く表現を可能にしたのである。これは、彼女が詩を個人の独白ではなく、人々をつなぐ媒体と捉えていたことを示している。
現代においても、この視点は重要である。SNSや自分語りが氾濫する時代において、単なる個人の告白が普遍性を欠く危険は高まっている。オリバーの言葉は、自己表現の大切さを否定するものではなく、それをどのように読者に届く形へと変換するかの重要性を教えている。この名言は、文学や詩が持つ普遍性の価値を再確認させるものである。
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