「物事を非常に強く観察することについてのフローベールの言葉が私は大好きです。作家としての私たちの務めは、自分自身の感情から始まるのではなく、観察する力から始まると思います」

メアリー・オリバー(画像はイメージです)
メアリー・オリバー(画像はイメージです)
  • 1935年9月10日~2019年1月17日(83歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人、作家、ピュリッツァー賞受賞者

英文

”I love the line of Flaubert about observing things very intensely. I think our duty as writers begins not with our own feelings, but with the powers of observing.”

日本語訳

「物事を非常に強く観察することについてのフローベールの言葉が私は大好きです。作家としての私たちの務めは、自分自身の感情から始まるのではなく、観察する力から始まると思います」

解説

この言葉は、創作における観察の重要性を強調している。しばしば文学は感情表現と結び付けられるが、ここではむしろ感情よりも先に、外界をどれだけ深く見つめられるかが作家の資質を決定すると述べている。フローベールが「観察の強度」を説いたことに共感し、作家の出発点は自分の内面ではなく外の世界にあるという逆説を示しているのである。

この姿勢は、メアリー・オリバーの詩作とも一致している。彼女は自然や日常の小さな出来事を非常に注意深く観察し、その観察を詩の形で結晶化させた。観察を通じて初めて感情が形を得るという発想は、感情をそのまま吐露するのではなく、対象を見つめることから詩が生まれるという文学的態度を表している。

現代においても、この考えは創作に有効である。たとえば、小説家や詩人だけでなく、写真家や映画監督なども、自分の感情を先に押し出すのではなく、対象の姿を正確に捉えることから作品を構築する。この名言は、創作を志す者にとって「まずはよく見ること」こそが原点であると示しているのである。

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