「信頼だけでは平和は築けない。しかし権利の承認と信頼があってこそ平和は成立する。これらの権利を認めないことは不正義の感覚を生み、灰の下で火種をくすぶらせ続ける」

- 1929年8月24日~2004年11月11日(75歳没)
- パレスチナ出身
- 政治家、パレスチナ解放機構(PLO)議長、ノーベル平和賞受賞者
英文
“Confidence alone does not make peace, but acknowledging rights and confidence do. Failure to recognize these rights creates a sense of injustice; it keeps the embers burning under the ashes.”
日本語訳
「信頼だけでは平和は築けない。しかし権利の承認と信頼があってこそ平和は成立する。これらの権利を認めないことは不正義の感覚を生み、灰の下で火種をくすぶらせ続ける」
解説
この言葉は、アラファトが真の平和の条件を語ったものである。彼は単なる「信頼関係」だけでは持続的な和平は不可能であり、正当な権利の承認が不可欠であると強調する。信頼と権利が両輪として揃わなければ、対立の根本原因は解消されず、いずれ再燃すると警告しているのである。
歴史的背景としては、オスロ合意後の和平プロセスがある。パレスチナ人にとって、国家承認や帰還権といった根本的な要求が無視されるなら、和平は表面的なものにとどまり、不満と対立が続く。アラファトはこの発言で、権利を軽視した「形だけの平和」が危険であることを国際社会に訴えたのである。
現代においても、この言葉は不正義を残した和平の脆弱性を示す。民族対立や地域紛争において、当事者の権利が尊重されないまま信頼だけを求めても、安定は長続きしない。アラファトの言葉は、平和の本質が権利の承認と相互信頼の融合にあることを教えており、それは今日の国際紛争解決にも通じる普遍的な指針なのである。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
「ヤセル・アラファト」の前後の名言へ
申し込む
0 Comments
最も古い