「我々はあらゆる形態のテロリズムを完全かつ絶対に放棄する」

- 1929年8月24日~2004年11月11日(75歳没)
- パレスチナ出身
- 政治家、パレスチナ解放機構(PLO)議長、ノーベル平和賞受賞者
英文
“We totally and absolutely renounce all forms of terrorism.”
日本語訳
「我々はあらゆる形態のテロリズムを完全かつ絶対に放棄する」
解説
この言葉は、アラファトがパレスチナ解放機構(PLO)の国際的正統性を確立するために発した重要な宣言である。長年、PLOはイスラエルや欧米諸国から「テロ組織」と見なされてきたが、和平交渉に臨む上で、その評価を転換する必要があった。そこでアラファトは、テロリズムの全面的放棄を明言することで、パレスチナ人の闘争を合法的な民族解放運動として位置づけ直そうとしたのである。
歴史的背景としては、1988年のパレスチナ国独立宣言およびアメリカとの対話開始の条件がある。当時、アメリカ政府はPLOに対し「テロ放棄」を和平交渉の前提とした。アラファトのこの発言は、その要求に応える形で国際社会への歩み寄りを示し、外交的承認と交渉参加への道を開いた転換点となった。
現代においても、この言葉は解放闘争とテロリズムの区別をめぐる議論に通じる。民族の権利を求める運動が「テロ」とラベル付けされることは多いが、アラファトの発言は、正当な政治的闘争を国際的に認めさせるためには暴力の全面放棄が不可欠であることを示している。この宣言は、パレスチナ問題だけでなく、他の民族紛争における和平プロセスの条件を理解する上でも重要な意味を持つのである。
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