「正義の大義を支持する者を、テロリストと呼ぶことは決してできない」

ヤセル・アラファト(画像はイメージです)
ヤセル・アラファト(画像はイメージです)
  • 1929年8月24日~2004年11月11日(75歳没)
  • パレスチナ出身
  • 政治家、パレスチナ解放機構(PLO)議長、ノーベル平和賞受賞者

英文

“Whoever stands by a just cause cannot possibly be called a terrorist.”

日本語訳

「正義の大義を支持する者を、テロリストと呼ぶことは決してできない」

解説

この言葉は、アラファトがパレスチナ解放闘争の正当性を強調するために発した発言である。彼はパレスチナ人の武装闘争が国際的に「テロ」と批判されることに対し、大義に基づく闘争はテロではなく正義の行為であると主張した。ここには、民族自決権と抵抗権を国際的に認めさせようとする意図が込められている。

背景には、1970年代から1980年代にかけてのハイジャック事件や武装闘争に対する国際的非難がある。アラファトは、これらの行為を弁護するのではなく、パレスチナ人の闘いの根底にある歴史的な不正義を強調し、「テロリスト」というレッテルを否定したのである。彼の発言は、武装抵抗と無差別テロとの区別を国際社会に訴える試みでもあった。

現代においても、この言葉はテロリズムの定義をめぐる議論に直結する。解放闘争や抵抗運動は一方の視点からは正義とされ、他方からはテロとされることが多い。アラファトの言葉は、立場や視点によって評価が変わる問題を提起し、「誰がテロリストか」を決めるのは単なる政治的ラベルではなく、正義の有無であるという主張を示しているのである。

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