ヤセル・アラファト

ヤセル・アラファト(画像はイメージです)
ヤセル・アラファト(画像はイメージです)
  • 1929年8月24日~2004年11月11日(75歳没)
  • パレスチナ出身
  • 政治家、パレスチナ解放機構(PLO)議長、ノーベル平和賞受賞者

人物像と評価

ヤセル・アラファト(Yasser Arafat)は、パレスチナ解放機構(PLO)の指導者であり、長年にわたりパレスチナ民族運動の象徴的存在であった。

彼はファタハを創設し、イスラエルに対する武装闘争を主導したが、後には外交交渉へと方針を転換し、パレスチナ自治政府の初代大統領となった。

1993年のオスロ合意ではイスラエルのラビン首相、ペレス外相とともにノーベル平和賞を受賞し、パレスチナ国家建設への道を開いた功績は大きい。

一方で、その指導は強権的であり、汚職や権力集中が批判された。

また和平交渉の成果が定着せず、暴力の連鎖を断ち切れなかったことから評価は分かれる。

しかし、彼がパレスチナ人に国家的アイデンティティと国際的認知を与えた存在であることは疑いなく、中東現代史において不可欠の指導者として記憶されている。

名言

  1. 「ゲリラ戦の最中にどうやって髭を剃れというのか。戦場には髭を剃る設備などなく、それが私が初めて髭を伸ばした理由だった」
  2. 「私は平和の同志であるイスラエルの首相イツハク・ラビン氏と外相シモン・ペレス氏がノーベル平和賞を受賞したことを祝福したい」
  3. 「パレスチナはアラブ世界を結束させるセメントであるか、あるいはそれを粉々に吹き飛ばす爆薬である」
  4. 「私は国家元首ではないが、その職にある者の二倍の働きをしなければならない。なぜなら官僚機構を管理すると同時に革命を遂行しなければならないからだ」
  5. 「ここは私の祖国であり、誰にも私を追い出すことはできない」
  6. 「私は平和会議の共同提唱国であるロシアとアメリカ合衆国に対し、平和プロセスがより大きな一歩を踏み出せるよう、その進展に貢献し、すべての障害を克服する手助けをすることを求める」
  7. 「パレスチナの銃はすでに準備されており、もし我々がエルサレムで祈ることを妨げられるなら、それを向けるだろう」
  8. 「我々が平和的に共存することを決断した以上、それは時の試練に耐え、世代を超えて続く確固たる基盤の上で行わなければならない」
  9. 「我々にとって平和は資産であり、利益である。それは地域的、宗教的、民族的な束縛から解き放たれ、個人が自由にその個性を発展させることを可能にする絶対的な人類の資産である」
  10. 「勝利の行進は、パレスチナの旗がエルサレムとパレスチナ全土にはためくその日まで続くだろう」
  11. 「私は世界中のすべての国々、特に支援国に対し、拠出を加速するよう呼びかける。それによってパレスチナの人々が経済的・社会的困難を克服し、復興とインフラ再建を進めることができるようにするためである」
  12. 「正義の大義を支持する者を、テロリストと呼ぶことは決してできない」
  13. 「蜂起がその目標を達成する前に止めようと考える者には、私は胸に十発の弾丸を撃ち込むだろう」
  14. 「アラブ諸国は、長年の戦争によって今日の世界における本来の地位を見出せなかった地域を、民主主義、多元主義、そして繁栄の雰囲気の中で発展させることを望んでいる」
  15. 「我々は『土地と平和の交換』を基盤とし、国連決議242および338、ならびにパレスチナ人民の正当な権利を実現するためのその他の国際的決定に基づいて和平プロセスを開始した」
  16. 「我々はあらゆる形態のテロリズムを完全かつ絶対に放棄する」
  17. 「我々の法律はヨルダンから引き継いだものであり、ヨルダン川西岸とガザの双方に適用され、土地をイスラエル人に売却した者には死刑を科すことを定めている」
  18. 「諸君、私は断言する。我々は戦争や対立よりも平和の中で自らをより深く発見するであろうし、イスラエル人もまた、戦争の中よりも平和の中で自らをより見いだすであろうと私は確信している」
  19. 「パレスチナへの帰還という目標を達成するためには、我々全員が時に歯を食いしばらねばならない」
  20. 「信頼だけでは平和は築けない。しかし権利の承認と信頼があってこそ平和は成立する。これらの権利を認めないことは不正義の感覚を生み、灰の下で火種をくすぶらせ続ける」
  21. 「アラブ・イスラエル和平の門を守る民族的大義を担うパレスチナ人は、アラブの同胞と同様に、『土地と平和の交換』と国際的正統性および決議の遵守に基づく包括的で公正かつ永続的な平和を待ち望んでいる」
  22. 「私は片手にオリーブの枝を、もう一方の手に自由の戦士の銃を携えてやって来た。どうか私の手からオリーブの枝を落とさせないでほしい」