リチャード・ライト

- 1908年9月4日~1960年11月28日(52歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 作家、小説家、詩人
人物像と評価
リチャード・ライト(Richard Wright)は、アメリカ合衆国の小説家であり、アフリカ系アメリカ文学を代表する存在である。
彼は南部の貧困と人種差別を背景に育ち、その経験をもとに『アンクル・トムの子供たち』や代表作『ネイティブ・サン』を発表した。
これらの作品は黒人が直面する社会的不正義や暴力を鋭く描き、全米に衝撃を与えた。
さらに自伝的小説『ブラック・ボーイ』では、自己形成と人種差別との闘いを赤裸々に綴り、アメリカ文学史に深い足跡を残した。
一方で、その急進的で社会批判的な作風は論争を呼び、共産党との関わりや政治的姿勢について批判を受けた。
また、晩年はフランスに移住し、孤独の中で執筆を続けたが、国内での評価は揺れ動いた。
それでも彼の作品は黒人文学の地平を切り開き、人種と社会正義を問い続ける力を持ち続けている。