「環境保護に費用が伴うのであれば、それは各国の発展段階の違いと将来世代への連帯の必要性を十分に考慮しつつ、公正に分配されるべきである」

教皇ベネディクト16世(画像はイメージです)
教皇ベネディクト16世(画像はイメージです)
  • 1927年4月16日~2022年12月31日(95歳没)
  • ドイツ出身
  • ローマ教皇(在位2005年~2013年)、神学者、枢機卿

英文

”If the protection of the environment involves costs, they should be justly distributed, taking due account of the different levels of development of various countries and the need for solidarity with future generations.”

日本語訳

「環境保護に費用が伴うのであれば、それは各国の発展段階の違いと将来世代への連帯の必要性を十分に考慮しつつ、公正に分配されるべきである」

解説

この言葉は、環境問題と正義の原理を結びつけている。ベネディクト16世は、環境保護が単なる技術的課題ではなく、倫理的・社会的課題であることを強調している。特に、環境対策にかかる費用や負担をどのように分担するかは、国家間の公平性と世代間の責任に直結する。

歴史的背景として、20世紀後半から地球環境問題は国際政治の中心課題となったが、先進国と発展途上国の間にはしばしば利害の対立があった。先進国は大量消費と工業化の結果として環境に大きな負荷をかけてきたが、途上国は経済発展を優先せざるを得ない事情を抱えている。ここで語られるのは、経済発展の段階を考慮した公平な分担の必要性である。

現代においてもこの言葉は重要である。気候変動対策、二酸化炭素削減、再生可能エネルギーへの移行といった課題において、負担をどのように分け合うかは国際社会の大きなテーマである。この言葉は、世代間の連帯と国際的な公平性を基盤とした環境倫理の道を示しており、単に今を生きる人々の利益だけでなく、未来の人々の権利をも尊重する視点を与えている。

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