「アフリカの生活の基盤、その希望と安定の源が、離婚、中絶、売春、人身売買、そして避妊思想によって脅かされていることは、大きな懸念である」

教皇ベネディクト16世(画像はイメージです)
教皇ベネディクト16世(画像はイメージです)
  • 1927年4月16日~2022年12月31日(95歳没)
  • ドイツ出身
  • ローマ教皇(在位2005年~2013年)、神学者、枢機卿

英文

”It is of great concern that the fabric of African life, its very source of hope and stability, is threatened by divorce, abortion, prostitution, human trafficking, and a contraception mentality.”

日本語訳

「アフリカの生活の基盤、その希望と安定の源が、離婚、中絶、売春、人身売買、そして避妊思想によって脅かされていることは、大きな懸念である」

解説

この言葉は、アフリカ社会の伝統的価値と共同体的基盤が揺らいでいる現状への警鐘である。ベネディクト16世は、家族と共同体を社会の根幹と見なし、それが崩壊することは希望と安定そのものが失われることを意味すると述べている。特に離婚や中絶といった家族制度の解体、さらに人身売買のような不正義は、倫理的にも社会的にも重大な脅威として挙げられている。

「contraception mentality(避妊思想)」という表現は、単に技術の使用を指すのではなく、生命や子どもを積極的に拒む考え方を批判している。ベネディクト16世にとって、生命を受け入れ、家族を中心とした共同体を築くことこそがアフリカ社会の強さであり、それを失うことは西洋で進行した脱キリスト教化の道をたどる危険をはらむと見ている。

現代的に考えると、この発言は文化的多様性と価値観の衝突にも通じる。世界のグローバル化の中で、伝統的共同体が外部の価値観に押されるとき、どのように自らの基盤を守りつつ現代社会と調和するかは普遍的な課題である。この言葉は、アフリカだけでなく、家庭や共同体の存続に危機感を抱く世界中の人々に向けられた警告とも受け取れる。

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