「ショアーにおいて示された男女や子どもへの憎悪と侮蔑は、神に対する、そして人類に対する罪であった」

教皇ベネディクト16世(画像はイメージです)
教皇ベネディクト16世(画像はイメージです)
  • 1927年4月16日~2022年12月31日(95歳没)
  • ドイツ出身
  • ローマ教皇(在位2005年~2013年)、神学者、枢機卿

英文

”The hatred and contempt for men, women and children that was manifested in the Shoah was a crime against God and against humanity.”

日本語訳

「ショアーにおいて示された男女や子どもへの憎悪と侮蔑は、神に対する、そして人類に対する罪であった」

解説

この言葉は、ホロコースト(ショアー)の本質を神学的かつ人道的に断罪するものである。ベネディクト16世は、ユダヤ人に対する迫害と虐殺を単なる歴史的悲劇としてではなく、神の被造物に対する根源的な罪と捉えている。すべての人間は神の似姿に創造された存在であるため、その尊厳を否定することは神そのものへの冒涜であると宣言している。

「a crime against God and against humanity」という表現は、ホロコーストが人間社会の法や倫理を超えて、普遍的かつ根源的な罪であることを示している。これは人類史上の犯罪であると同時に、神学的には創造主への反逆と理解される。ベネディクト16世の言葉は、この二重の次元での罪を強調している点に大きな意味がある。

現代的に見ると、この言葉は人種差別や宗教的憎悪の再興を防ぐ倫理的基盤を提供する。ショアーを忘れず記憶することは、人類が同じ過ちを繰り返さないための責務である。ベネディクト16世の発言は、記憶の保持と教育の重要性を訴え、憎悪に対抗する普遍的な人間の連帯を呼びかけているのである。

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