「すべての人々に福音を届けること、そしてユダヤ人にとっても理解できるようにすることは、絶対的に重要である」

教皇ベネディクト16世(画像はイメージです)
教皇ベネディクト16世(画像はイメージです)
  • 1927年4月16日~2022年12月31日(95歳没)
  • ドイツ出身
  • ローマ教皇(在位2005年~2013年)、神学者、枢機卿

英文

”It is absolutely important to make accessible the Gospel for all people and also understandable for Jewish people.”

日本語訳

「すべての人々に福音を届けること、そしてユダヤ人にとっても理解できるようにすることは、絶対的に重要である」

解説

この言葉は、福音の普遍性とユダヤ人との特別な関係を同時に強調している。キリスト教の使命は全人類に福音を広めることであるが、その中でもユダヤ人は旧約聖書を通じて神との契約を受けた民であり、キリスト教信仰の源流に深く関わっている。ベネディクト16世は、歴史的緊張や対立を乗り越えつつ、福音がユダヤ人にも理解可能であることの重要性を説いている。

特にここで注目すべきは、「accessible(届くこと)」と「understandable(理解できること)」の両立である。単に福音を広めるだけではなく、相手の文化的背景や宗教的伝統を尊重しつつ、理解可能な形で伝える努力が不可欠である。この姿勢は、対話と和解を重んじる第二バチカン公会議以降の教会の方向性を反映している。

現代的意義として、この言葉は宗教間対話や多文化共生の課題に直結する。ユダヤ教だけでなく、イスラム教や他宗教との関係においても、互いの伝統を尊重しながら理解を深めることが平和的共存の基盤となる。したがって、この言葉は布教の使命を超えて、宗教的寛容と対話の実践に向けた普遍的な指針を示しているのである。

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