「私たちは、苦しみを抱え、正しい生き方を見出そうとするこれらの人々に対して、大いなる尊敬を払わなければならない。しかし一方で、同性愛婚のような法的形態を作り出すことは、実際にはこれらの人々を助けることにはならない」

- 1927年4月16日~2022年12月31日(95歳没)
- ドイツ出身
- ローマ教皇(在位2005年~2013年)、神学者、枢機卿
英文
”We must have great respect for these people who also suffer and who want to find their own way of correct living. On the other hand, to create a legal form of a kind of homosexual marriage, in reality, does not help these people.”
日本語訳
「私たちは、苦しみを抱え、正しい生き方を見出そうとするこれらの人々に対して、大いなる尊敬を払わなければならない。しかし一方で、同性愛婚のような法的形態を作り出すことは、実際にはこれらの人々を助けることにはならない」
解説
この言葉は、ベネディクト16世が同性愛者への敬意と牧会的配慮を求めつつも、同性愛婚の合法化に否定的な立場を示した発言である。彼は個々の同性愛者を尊重し、彼らが正しい生を模索する努力を理解しつつも、結婚という制度を同性愛に適用することは助けにならないと主張している。
歴史的背景として、21世紀初頭はヨーロッパや北米を中心に同性婚合法化の動きが広がった時期である。カトリック教会は「結婚は男女の結合である」という教義を維持しており、ベネディクト16世もその立場を繰り返し表明した。ただし彼は同性愛者そのものを否定するのではなく、人間の尊厳を認めつつ行為や制度に制限を設けるという神学的区別を強調した。
現代においては、この立場は強い議論を呼ぶ。人権や平等の観点から同性婚を支持する声が広がる一方で、教会の伝統的教えは変わっていない。この言葉は、尊敬と否定的立場の両立という複雑な姿勢を表しており、信仰と現代社会の価値観の対立を象徴するものである。
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