「独身制は強制の問題ではない。司祭は自らの意思でそれを受け入れるときにのみ叙階される」

教皇ベネディクト16世(画像はイメージです)
教皇ベネディクト16世(画像はイメージです)
  • 1927年4月16日~2022年12月31日(95歳没)
  • ドイツ出身
  • ローマ教皇(在位2005年~2013年)、神学者、枢機卿

英文

”Celibacy is not a matter of compulsion. Someone is accepted as a priest only when he does it of his own accord.”

日本語訳

「独身制は強制の問題ではない。司祭は自らの意思でそれを受け入れるときにのみ叙階される」

解説

この言葉は、司祭の独身制が自由意思に基づく選択であることを明確にしている。カトリック教会において独身制は司祭職と結びつけられているが、それは外部からの強制ではなく、本人の同意と召命の受け入れによって成り立つものである。したがって、司祭志願者は独身生活を含む司祭職の責任を理解した上で、自らの意思で応答する必要がある。

歴史的に、ラテン典礼に属するカトリック教会では司祭の独身制が原則とされてきたが、東方典礼や一部の特例では既婚者の司祭も存在する。このことは、独身制が普遍的に強制された規範ではなく、特定の伝統や霊性に根ざした規律であることを示している。ベネディクト16世の発言は、この規律が強制ではなく自由な選択に基づくことを強調するものである。

現代社会においては、司祭の独身制に対する議論がしばしば起こる。しかしこの名言は、独身制を人権侵害や制度的強制と見るのではなく、召命に応える自由意思の行為として理解すべきであることを示している。すなわち、独身制は司祭職の本質的使命を果たすために選ばれる生き方であり、自発的な献身のしるしとして尊重されるべきものである。

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