「人間は無限を必要としていることを理解しなければならない。もし神がそこにおらず、無限が手に入らないならば、人間は自らの楽園を作り出し、『無限』の外観を与えるが、それは偽りでしかない」

教皇ベネディクト16世(画像はイメージです)
教皇ベネディクト16世(画像はイメージです)
  • 1927年4月16日~2022年12月31日(95歳没)
  • ドイツ出身
  • ローマ教皇(在位2005年~2013年)、神学者、枢機卿

英文

”We have to see that the human person needs the infinite. If God’s not there, if the infinite isn’t available, the human person creates its own paradises, giving the appearance of ‘infinitude’ that can only be a lie.”

日本語訳

「人間は無限を必要としていることを理解しなければならない。もし神がそこにおらず、無限が手に入らないならば、人間は自らの楽園を作り出し、『無限』の外観を与えるが、それは偽りでしかない」

解説

この言葉は、人間存在の根源的欲求が無限に向かうことを示している。有限の世界に生きる人間は、常に完全さや永遠を求めるが、それは神という真の無限の存在によってのみ満たされる。神を欠いた場合、その渇望は偽りの対象へと向かい、虚構の「楽園」を作り出すことになる。

歴史的に見れば、この偽りの「無限」とは、権力や富、享楽、さらにはイデオロギーといったものに具体化されてきた。これらは一時的に人間を満たすように見えても、結局は虚無と破壊をもたらすことが多かった。ベネディクト16世の言葉は、そうした偶像化の危険性に対する警告である。

現代社会でも、この指摘は鋭い意味を持つ。テクノロジーや消費主義、あるいは仮想空間などが「新しい無限」として提示されることがあるが、それらは真に人間を満たすものではない。この名言は、人間が本来必要とする無限は神との関わりにおいてのみ見出されると強調し、現代人に偽りの楽園ではなく真の超越を求める姿勢を促している。

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