「国際関係とは、不完全な知識に基づいた不器用な身ぶりとして、あらかじめ定められているのです」

- 1892年12月21日~1983年3月15日(90歳没)
- イギリス出身
- 作家、評論家、ジャーナリスト、フェミニスト
英文
”International relationships are preordained to be clumsy gestures based on imperfect knowledge.”
日本語訳
「国際関係とは、不完全な知識に基づいた不器用な身ぶりとして、あらかじめ定められているのです」
解説
この言葉は、国際関係の本質的な不完全さを指摘している。レベッカ・ウェストは、国家同士の関係は常に限られた情報や誤解に基づいて動き、完全な理解や調和に到達することはできないと見ていた。つまり、外交や国際協力は理論的に整然と進むものではなく、不完全さを抱えたまま繰り返されるぎこちない試みであるという冷徹な認識である。
20世紀は二度の世界大戦と冷戦に象徴される時代であり、各国の指導者は不十分な情報や偏見に基づいて重大な決定を下した。その結果、しばしば予期せぬ惨禍が生まれた。ウェストの言葉は、こうした歴史的経験を踏まえ、国際関係における人間的限界を直視する姿勢を表している。
現代においても、この洞察は妥当性を持つ。グローバル化が進んでも、国家間の利害調整や外交交渉は依然として不完全な情報と複雑な誤解に左右される。ウェストの言葉は、国際政治を理想化せず、不完全さを前提とした現実的な視点を持つことの必要性を教えているのである。
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