「私自身、フェミニズムが正確に何であるかを突き止めることはできませんでした。ただ、自分が玄関マットとは違うと示す感情を表現すると、人々は私をフェミニストと呼ぶのだと知っているだけです」

- 1892年12月21日~1983年3月15日(90歳没)
- イギリス出身
- 作家、評論家、ジャーナリスト、フェミニスト
英文
”I myself have never been able to find out precisely what feminism is: I only know that people call me a feminist whenever I express sentiments that differentiate me from a doormat.”
日本語訳
「私自身、フェミニズムが正確に何であるかを突き止めることはできませんでした。ただ、自分が玄関マットとは違うと示す感情を表現すると、人々は私をフェミニストと呼ぶのだと知っているだけです」
解説
この言葉は、フェミニズムの定義の曖昧さと社会の偏見を指摘している。レベッカ・ウェストは、自らを特別にフェミニストと位置づけているわけではなく、ただ人間としての尊厳を保ち、自立した意見を述べるだけで「フェミニスト」と呼ばれる現実を皮肉っている。ここでの「玄関マット」は、踏みつけられる存在、すなわち受動的で無力な女性像の象徴であり、それと区別されるだけで過激なレッテルを貼られてしまう社会の不条理が浮き彫りになっている。
20世紀初頭、女性参政権運動や社会的平等を求める運動が盛んになる一方で、フェミニズムは「過激で男性を敵視する思想」として揶揄されることも多かった。ウェストの言葉は、そうした誤解や偏見に対して、自立を求めるだけで十分に「フェミニズム」と見なされる時代の風潮を痛烈に批判している。
現代においても、この発言は大きな意味を持つ。女性が権利や尊厳を主張すると、今なお「フェミニスト」として揶揄されることがある。ウェストの言葉は、フェミニズムとは特別な思想ではなく、自分を踏みにじられない存在として認める最低限の自己主張であるという真実を突きつけているのである。
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