「人を破滅に追いやるのは常に悪徳ではなく、美徳なのです」

レベッカ・ウェスト(画像はイメージです)
レベッカ・ウェスト(画像はイメージです)
  • 1892年12月21日~1983年3月15日(90歳没)
  • イギリス出身
  • 作家、評論家、ジャーナリスト、フェミニスト

英文

”It is always one’s virtues and not one’s vices that precipitate one into disaster.”

日本語訳

「人を破滅に追いやるのは常に悪徳ではなく、美徳なのです」

解説

この言葉は、人間の美徳の持つ逆説的な危うさを指摘している。一般には悪徳こそが人を堕落や破滅に導くと考えられるが、レベッカ・ウェストはむしろ美徳の方が災厄を招くと述べている。例えば、勇気は無謀を生み、忠誠心は盲従を生み、誠実さは過剰な自己犠牲を生む。美徳が極端に働くと、人はかえって破滅へと導かれるのである。

この逆説は、20世紀の激動の歴史とも深く関わっている。国家や宗教への忠誠、理想への献身といった「美徳」は、しばしば大戦や革命の悲劇を加速させた。ウェストの言葉は、善意や高潔さが必ずしも安全や幸福を保証せず、時に破壊的な力となることを鋭く示している。

現代においても、この洞察は普遍性を持つ。職場や社会における努力や責任感が燃え尽き症候群を招き、愛情や献身が共依存を生むことがある。ウェストの言葉は、美徳を否定するのではなく、美徳こそが過剰になれば災厄の種となるという現実を直視させ、節度と自覚の重要性を教えているのである。

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