「ジャーナリズムとは、紙面を埋めるという課題に応える能力のことです」

レベッカ・ウェスト(画像はイメージです)
レベッカ・ウェスト(画像はイメージです)
  • 1892年12月21日~1983年3月15日(90歳没)
  • イギリス出身
  • 作家、評論家、ジャーナリスト、フェミニスト

英文

”Journalism: an ability to meet the challenge of filling the space.”

日本語訳

「ジャーナリズムとは、紙面を埋めるという課題に応える能力のことです」

解説

この言葉は、ジャーナリズムを皮肉と現実感を込めて定義している。理想的には真実を伝え、社会に貢献する使命を持つはずのジャーナリズムを、レベッカ・ウェストはあえて「スペースを埋める能力」と表現することで、その実務的・機械的な側面を強調している。つまり、報道の使命よりも、締切や紙面の都合に合わせて記事を書く現実を鋭く突いているのである。

20世紀初頭、新聞は大衆社会における主要なメディアとして急速に拡大し、記事を絶えず供給する必要に迫られていた。そのため、必ずしも質の高い記事ばかりではなく、空間を埋めるための記事が量産される傾向があった。ウェストはその矛盾を見抜き、ジャーナリズムの理想と現実の乖離を批評的に表現している。

現代でもこの言葉は当てはまる。インターネットやSNSの普及により、メディアは膨大な情報空間を絶えず埋め続けているが、その中には浅薄な記事やクリックを狙ったコンテンツも多い。ウェストの皮肉は、ジャーナリズムにおける量と質の緊張関係を今なお照らし出し、報道の本質とは何かを問いかけているのである。

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