「聖フランチェスコは鳥に説教をしたのでしょうか?何のために?もし本当に鳥が好きなら、猫に説教した方がよかったのです」

- 1892年12月21日~1983年3月15日(90歳没)
- イギリス出身
- 作家、評論家、ジャーナリスト、フェミニスト
英文
”Did St. Francis preach to the birds? Whatever for? If he really liked birds he would have done better to preach to the cats.”
日本語訳
「聖フランチェスコは鳥に説教をしたのでしょうか?何のために?もし本当に鳥が好きなら、猫に説教した方がよかったのです」
解説
この言葉は、宗教的逸話への皮肉と現実的視点を示している。聖フランチェスコは自然や動物への慈愛で知られ、鳥に説教をしたという伝承が残されている。しかしレベッカ・ウェストは、その行為の象徴性を認めつつも、現実的には鳥を脅かす存在である猫にこそ説教すべきだと指摘している。ここには、理想主義と現実の乖離への鋭い批判が込められている。
ウェストが生きた20世紀は、理想主義的な思想や宗教的言説がしばしば社会の現実と乖離し、空虚に響くことがあった。彼女の発言は、宗教的象徴の美しさを否定するのではなく、それが現実の問題解決につながらなければ意味を持たないことを強調している。つまり、鳥を愛するなら象徴的な言葉ではなく、実際に鳥を守るための行動が必要だという逆説的な批評である。
現代においても、この言葉は普遍的な教訓を持つ。環境問題や動物愛護を語る際にも、理念や美辞麗句にとどまるのではなく、実際の脅威や加害要因に働きかける行動が求められる。ウェストの皮肉は、理想を掲げるだけで満足するのではなく、現実に対処する責任を伴うべきだという鋭い警鐘なのである。
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