「偉大な音楽はある意味で静謐です。それが主張する価値について確信を持っているのです」

レベッカ・ウェスト(画像はイメージです)
レベッカ・ウェスト(画像はイメージです)
  • 1892年12月21日~1983年3月15日(90歳没)
  • イギリス出身
  • 作家、評論家、ジャーナリスト、フェミニスト

英文

”Great music is in a sense serene; it is certain of the values it asserts.”

日本語訳

「偉大な音楽はある意味で静謐です。それが主張する価値について確信を持っているのです」

解説

この言葉は、偉大な音楽が持つ安定した確信と内的調和を表している。レベッカ・ウェストは、音楽の力を単なる感情の刺激ではなく、価値を明確に提示する精神的表現として捉えている。ここで言う「静謐」とは、動きや激しさの有無ではなく、作品そのものが揺るぎない信念に裏打ちされていることを意味している。

20世紀の音楽は、ロマン派の激情から現代音楽の不協和音まで大きく揺れ動いた時代であった。その中で、ウェストは真に偉大な音楽は流派や形式に関わらず、確固とした価値観の表明を伴うと考えた。ベートーヴェンやバッハの作品に見られるように、聴く者に深い信頼感や普遍性を与えるのは、その音楽が自らの価値に迷いを持たないからである。

現代においてもこの考えは響きを持つ。ポピュラー音楽からクラシックまで、時代を超えて愛される音楽には、自己の信念を揺るがずに伝える力がある。ウェストの言葉は、音楽を評価する基準として「技術」や「流行」ではなく、価値の確信と精神的な静けさを見極めることの重要性を教えているのである。

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