「偽善は鼻につくため、人はそれを実際以上に強力な破壊の要因と評価しがちなのです」

レベッカ・ウェスト(画像はイメージです)
レベッカ・ウェスト(画像はイメージです)
  • 1892年12月21日~1983年3月15日(90歳没)
  • イギリス出身
  • 作家、評論家、ジャーナリスト、フェミニスト

英文

”Because hypocrisy stinks in the nostrils one is likely to rate it as a more powerful agent for destruction than it is.”

日本語訳

「偽善は鼻につくため、人はそれを実際以上に強力な破壊の要因と評価しがちなのです」

解説

この言葉は、偽善に対する人間の感覚的な嫌悪とその過大評価について述べている。偽善は不誠実で不快なものとして強い反感を呼ぶが、それが必ずしも社会を最も大きく蝕む力ではないという冷静な視点を提示している。つまり、人はその不快感ゆえに実態以上に危険視してしまう傾向があるという指摘である。

レベッカ・ウェストの時代、政治や社会における偽善はしばしば批判の的であった。しかし彼女は、腐敗や暴力、無知といった他の要素の方が実際にははるかに大きな破壊力を持つことを理解していた。ここには、見た目の醜悪さに惑わされず、実質的な力関係を冷静に見極める態度が示されている。

現代においてもこの言葉は有効である。SNSやメディアでは偽善的な言動が炎上しやすく、社会的に大きな悪とみなされることが多い。しかし、実際に社会を崩壊させるのは偽善よりも制度的不正や構造的暴力である場合が多い。ウェストの言葉は、感情的な反発を超えて、本当に破壊的なものは何かを見極める洞察を促しているのである。

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