レベッカ・ウェスト

- 1892年12月21日~1983年3月15日(90歳没)
- イギリス出身
- 作家、評論家、ジャーナリスト、フェミニスト
人物像と評価
レベッカ・ウェスト(Rebecca West、本名デイム・セシリー・イザベル・フェアフィールド)は、イギリスの小説家・評論家・ジャーナリストであり、20世紀を代表する知識人の一人である。
彼女は鋭い知性と独立心をもって社会や政治を論じ、フェミニズムの立場から女性の地位向上を訴えた。
代表作『黒羊と灰色の鷹』はユーゴスラビア取材に基づき、民族・歴史・政治を重層的に描いた名著として高く評価される。
また第一次世界大戦後から冷戦期にかけて、文学批評や政治評論を幅広く手がけた。
一方で、その率直で辛辣な文体は敵も多く、論争を呼ぶことが少なくなかった。
しかし彼女の著作は、文学的価値と同時に社会的洞察に満ちており、知識人の使命を体現したものとされる。
個人の自由と責任を重んじた姿勢は、今なお現代的意義を持つものである。
名言
- 「強い憎しみは、人生の暗い場所を進むときに私たちが手に持つべき最良の灯りであり、人々が崇拝せよと言う死んだものを切り捨てるのです」
- 「ジェイムズ・ジョイス氏は、まったく趣味を持たない偉大な人物です」
- 「文章を書くことは、人と人との間の伝達とは関係がなく、一人の人間の心の異なる部分同士の伝達にすぎないのです」
- 「母であることは最も奇妙なことです。それは自分自身のトロイの木馬のようなものになり得るのです」
- 「本物の芸術作品は必ず、芸術家と観衆との間に議論を引き起こすのです」
- 「偽善は鼻につくため、人はそれを実際以上に強力な破壊の要因と評価しがちなのです」
- 「人間の問題は二重です。あまりに複雑な真理を学ぶことはできず、あまりに単純な真理は忘れてしまうのです」
- 「私たち一人ひとりの中には、生きようとする意志と死のうとする意志との間で終わることのないシーソーがあるのです」
- 「偉大な芸術というラクダが、大衆の知性という針の穴を通らなければならない論理的理由はないのです」
- 「私たちは互いについて皆間違っているのではないでしょうか。出会う人々について、ただ書かれることのない小説を作り上げているだけなのではないでしょうか」
- 「戦争の前には軍事学は天文学のように本物の科学に見えますが、戦争の後には占星術のように見えるのです」
- 「偉大な音楽はある意味で静謐です。それが主張する価値について確信を持っているのです」
- 「会話というものは存在しません。それは幻想です。あるのは交差する独白だけなのです」
- 「いかなる本も禁じられるべきではありません。その行為は嬰児殺しと同じくらい弁護の余地がないのです」
- 「聖フランチェスコは鳥に説教をしたのでしょうか?何のために?もし本当に鳥が好きなら、猫に説教した方がよかったのです」
- 「人が互いについて語ることをあまり信用できないことは誰もが理解しています。しかし、人が自分自身について語ることはさらに信用できないということは、それほど広く理解されていないのです」
- 「私は物事を知るために本を書くのです」
- 「宇宙のどこにも、重大な経験のこちら側とあちら側にいる者たちの間ほど広く口を開けた溝はありません」
- 「記憶は、体験し、そして再び体験させることによって、個人的な人生そのものを支配するほどの力を持っており、そのため人はただ生きてきただけにすぎないのです」
- 「ジャーナリズムとは、紙面を埋めるという課題に応える能力のことです」
- 「芸術に求められるのは宇宙の複製ではありません。宇宙そのものが一つあれば十分なのです」
- 「人を破滅に追いやるのは常に悪徳ではなく、美徳なのです」
- 「私たちは皆、モーツァルトの主要な作品が与えてくれる慰めに頼りました。それはブランデー一杯がもたらす温かさと同じくらい現実的で具体的なものなのです」
- 「私が玄関マットや娼婦とは違うと示す感情を表現すると、人々は私をフェミニストと呼ぶのです」
- 「私が玄関マットや娼婦とは違うと示す感情を表現すると、人々は私をフェミニストと呼ぶのだと、ただそれだけを知っています」
- 「アメリカにおける参政権獲得の闘いは、イギリスよりもはるかに困難でした。その理由は、それがはるかに容易であったからです」
- 「彼は一インチおきに紳士なのです」
- 「魂の義務は、自らの欲望に忠実であることです。それは自らを支配する情熱に身を委ねなければならないのです」
- 「国が数多の眠そうな梨のように柔らかくならないためには、すべての人の血管に裏切りの一滴が流れているべきなのです」
- 「歴史とスカンクの臭いの違いを見分けるのが非常に難しいことがあるのです」
- 「男女の主な違いは、男は狂人であり、女は愚か者であるということです」
- 「伝記を書くことがどれほど難しいかは、自分の恋愛について本当の真実を知っている人がどれほど少ないかを考えれば、誰にでも理解できるのです」
- 「私自身、フェミニズムが正確に何であるかを突き止めることはできませんでした。ただ、自分が玄関マットとは違うと示す感情を表現すると、人々は私をフェミニストと呼ぶのだと知っているだけです」
- 「国際関係とは、不完全な知識に基づいた不器用な身ぶりとして、あらかじめ定められているのです」
- 「人類が自らを表現しているときほど謎めいていることはありません」
- 「たとえそれが『地の塩』であっても、自分の傷に塩を擦り込まれることを好む人はいません」
- 「顔立ちを険しくするのは、放蕩だけではありません。例えば、涙もそうなのです」
- 「人生は、魂を豊かにする高貴な冒険を求める欲望の葛藤であるべきなのです」