「自由とは、自分のしたいことをすることではなく、すべきことを行う権利を持つことにある」

教皇ヨハネ・パウロ2世(画像はイメージです)
教皇ヨハネ・パウロ2世(画像はイメージです)
  • 1920年5月18日~2005年4月2日(84歳没)
  • ポーランド出身
  • ローマ教皇、哲学者、神学者

英文

”Freedom consists not in doing what we like, but in having the right to do what we ought.”

日本語訳

「自由とは、自分のしたいことをすることではなく、すべきことを行う権利を持つことにある」

解説

この言葉は、ヨハネ・パウロ2世が自由の本質を道徳的責任の観点から定義したものである。一般的に自由は「好きなことができる状態」と誤解されがちだが、彼はそれを否定し、真の自由とは倫理的・霊的な義務を果たす力にあると主張している。「すべきことをする自由」とは、善を選び取る能力であり、単なる選択の多さではなく、選択の質に関わる自由である。

歴史的背景として、この言葉は特に西側社会における個人主義や快楽主義の台頭に対する警鐘と解釈できる。冷戦期を通じて、自由がしばしば消費や自己実現の道具として語られる中で、ヨハネ・パウロ2世は、自由とは人間の尊厳と道徳的成熟に根ざすものでなければならないと強調した。この視点はカトリックの社会教説にも通じており、自由と真理の結びつきを軸としている。

現代においても、この名言は自由と責任のバランスを失いつつある社会に向けた普遍的な警告である。法や制度が自由を保障しても、その自由が正しい選択を支える価値観や教育と結びついていなければ、破壊的な自己中心性に陥る可能性がある。この言葉は、真の自由は内面の秩序と道徳的勇気によって成り立つという、人間成長の核心的な原則を教えているのである。

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